ゲームマーケット2018秋 での出展ブースが A04 に決定いたしました!

日にち : 2018/11/24(土), 11/25(日)

場所 : 東京ビッグサイト 西4ホール ブース番号 A04

出展タイトル :

ホールマップは公式サイト http://gamemarket.jp/map/ をご覧ください。

「FILLIT」は新作です!
試遊もできますので、是非お越しください。

また、FILLIT のゲームデザイナーと対戦企画が行われます!
参加賞として、別デザインの簡易ボードをプレゼント!
ゲームデザイナーに勝利すると、なんと旧作「おーくしょんパーティ」と「アイドル発掘!Diggers」をプレゼント!
奮ってご参加ください!

さらに!
セット販売も行います!
「FILLIT」「アイドル発掘!Diggers」「おーくしょんパーティ」と対決企画の参加賞と同じボードをおまけでつけて、なんと全部で 4,000円(税込)
是非この機会にお買い求めください!

■プリセット探しの旅

さてさて、「源平討魔伝」にはビッグモードと横スクロールモード、4方向スクロールモード、それぞれにメインBGMが設定されているのですが、今回はミドルテンポで重厚な感じのビッグモードのBGMを耳コピしていきましょう。

まず、原曲を聞いていきます。

ベースがゴロゴロした音色のFMスラップベースが特徴的なので、DEXEDのプリセットを探していきます。

似た音でも20パターン以上あるので探すのは大変なのですが「Bass」というキーワードで1音ずつ聞いていくことにしましょう。

CART(たぶんカートリッジの略)というボタンを押してカートリッジのプリセットを見ていくと、Yamaha_DX7_syx2の中にBass.syxというのが並んでいるのでこの辺で探します。

各.syxには32個のプリセット音色が内蔵されているようです。

これらを1音、1音確かめながら探していくといくつか似ている音色の中からBass03.syxというのの中のBrainacus0という音色が良さそうな感じなので決定します。

こんな感じで、音を探していくスタイルでやって行けそうです。

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■シミュレート音源を探す

はい!恒例のVSTでのシミュレート音源探しから始めてみましょうか。

メジャーどこではNativeinstruments FM8 とか、Imageline Sytrus あたりかな。

フリーVSTiで評判が高いのがDEXED とかVOPM ですね。

特にVOPMは80年代のアーケード基盤やX68000で採用されていたYM2151というチップをシミュレートしていて雰囲気的にはコレがよさそうな感じがするのですが、※1随分前に開発終了していて64ビット化されていないのでアウトです。

メジャーどこはもちろん申し分ないのですが、DEXEDが評価が高いうえに64ビット化もされていて「フリーで使い物になるならこっちでも良いよね」と思い、DEXEDをチョイスしてみたいと思います。

DEXEDはYAMAHAのDX7をシミュレートしたVSTiで、大量のプリセット音色が※2カートリッジファイルとして配布されていて、しかもリアルのDX7ユーザーであればキーボード側で作った音色をMIDIのSysEXとして送ることでDEXEDに取り込むこともできるという優れものです。

今回の耳コピではFM音源の音色を1から作ると、それだけで迷宮に入ってしまいそうなので、DEXEDの大量のプリセットから探して使う作戦で行こうと思います。

次回から「源平討魔伝」のビッグモードの曲を耳コピしていくことにしましょう。

※1PPSE さんという有志による64ビット化もされているようですが今回はパスしました。
※2DX7では追加音色をROMカートリッジで販売していてたくさん持っているとちょっと自慢だったのです。

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■FM音源ってなに?

PSG音源(ファミコン音源)、波形メモリ音源、ときてレトロゲームのサウンドを語るうえで欠かせないのが「FM音源」です。

「FM音源」のFMとは「FrequencyModulation(フリケンシー・モジュレーション)」の略で、日本語で言うと「周波数変調」となります。

オペレータと呼ばれる基本波形に周波数変調をかけることで、非常に複雑な波形を生み出すことができる方式のことで、例えば基本的なサイン波に周波数変調で複雑な歪みを与えることで元の波形にはなかったような波形を生み出すことが可能になります。

さらに複数のオペレータをいろいろなパターンで組み合わせて音色を作ることができるため、当時は※1原理的にはどんな音でも演算で作り出すことができると言われていました。

音の特徴としては、金属的でキラキラした音色を奏でることができるのでアナログシンセサイザーとはまた違った意味で電子音楽で重宝されていました。

80年代~90年代のアーケードゲームといえば「FM音源」というくらい数多くのタイトルに採用されており、「トレジャー発掘!Diggers」でいえば以下のタイトルがFM音源ものということになります。

・妖怪道中記
・源平討魔伝
・ワンダーモモ
・シティコネクション
・妖精物語ロッドランド
・カルノフ
・トリオザパンチ
・空牙
・ウルフファング
・ダークシール

次回からナムコの「源平討魔伝」を例にとってお話していきましょう。

※1実際にはFM音源の音色づくりは非常に難解で狙った音を作るのが難しく、どんな音でも作れるというわけにはいかなかった

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■波形メモリ音源っぽさって・・・

さぁ、耳コピをどんどん進めていきます。
メロディ、カウンターメロディ、ベースの3パートしかないのでサクサク進みます。
あらかた出来上がったところで聞いてみます。

う~~~ん。

なぁ~んか、レトロっぽさが出てないのです。

Retrologueも、レトロと銘打っている割にはステレオの分離もいいし、上から下までレンジが広くて、良い意味で現代の音楽でも使えるシンセなので、原曲が持っている塊感が出ないのではないでしょうか。

各トラックでEQの設定を変えて上下の帯域を絞るみたいなこともしてみたのですが、どうもレゾリューションが高すぎるのが原因でないかと当たりをつけてみます。

ナムコのマッピーで採用されていた波形メモリ音源はC30というものらしいのですが、スペック的には、4ビット、32サンプル、最大発音数8または16。ステレオまたはモノラルということなので、ここはまた大胆に読み替えをしてみます。

上下の帯域を絞ってレゾリューションを下げるってことは、Hi-FiからLo-Fiにするわけですから、全体にLo-Fiエフェクトかけたらいいんでないか?ということです。

Cubase標準エフェクトのbitCrussherでパラメータをいじってみます。

Modeというセクションでキャラクターを決めて、SampleDividerというツマミで歪み具合を調節、Depthというツマミでビットレゾリューションを0~24の間で決めます。

ModeはⅢで比較的強めにかかるキャラクターに設定。
SampleDividerはかけすぎると壊れた無線みたいな音になってしまうので1に設定。
DepthはC30のスペックが4ビットなので4にしたらすこしノイジーすぎるので8にしてみます。

このような設定で再生してみます。
まぁ、シミュレート音源ではないわりに雰囲気だけは似たのではないかと思います。

「マッピー」のBGMはゲーム本編の「アニマルワールド」で聞けるので、似てるか似てないか。
原曲を思い出しながら聞いてみて下さいまし。

ということで波形メモリ音源編は今回で終了。
次回からFM音源編です!

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■波形メモリ音源独特の音色

メロディパートの音色はできたので、次はカウンターメロディを奏でているパートの音色の作成をしていきましょう。

ファミコン版の「マッピー」では鳴っていないのですが、アーケード版では波形メモリ音源独特の音色で鳴っていて、耳コピ再現する場合は特に重要なパートです。

さっそく原曲を聞いてみましょう。

ベル系のような、エレピ系のような金属的なアタックと涼やかなサスティンで構成された音色ですね。

PSG音源では絶対出ない感じの波形メモリ音源の特徴的な音です。

Retrologueで1から再現するのが難しそうなので、ちょっと考え方を変えて、Retrologueのプリセット音色の中から比較的似ているものを探してそこからエディットすることにしてみます。

Retrologueのプリセットの中で比較的軽めのエレピ音色が良いと思うので「FM E-Piano」という音色をロードしてみます。

まずはエフェクトが掛かっていてゴージャスな感じが邪魔なので、コーラス、ディレイ、リバーブをOffにして素の音にします。

さらにローの音が出すぎなのでSUBセクションのボリュームを絞ります。

この音色でキーボードを弾くと、ベロシティ110あたりがちょうど似ている音になるので、全体的にベロシティ110に設定してみます。

とりあえず、音色はこれでFIXして曲全体の耳コピを進めていきます。

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■メインメロディの音色作るゼ

それでは「マッピー」原曲を聞いてみましょう。

非常にリリースの短い歯切れのよい、バンジョーっぽい感じの音でメロディを奏でています。

ネズミの保安官?みたいなので、ちょっとアメリカンなテイストがするカントリーウエスタンな雰囲気を意識しているのでしょうかネ。

Retrologueのオシレータを適当に切り替えながら音色作成を開始していきます。
バンジョーっぽい少し角がたったような音色にしたいので、ノコギリ波を選択してみますが、いまいちです。

オシレータは3つまで重ねられるのでもう一つノコギリ波を重ねて、オクターブを下げてみます。

う~ん・・・分厚くはなったけどちがうなぁ。

こういう時は原曲に立ち返るのが鉄則です。

よ~く聞いてみると、歯切れは良いけど少し高音の角がつぶれて独特の響きがあるので、ここを踏まえないといけないのかな?・・・ということで、方針転換。

今度はオシレータは矩形波にして、3つ重ねて、ついでに1オクターブ上と下に振ってあげます。

さらにSUBオシレータもONにして矩形波を重ねることで、4つの音が倍音っぽく重なった分厚い矩形波ができました。

さらにさらに、バンジョーの金属っぽい感じを出したいので、オシレータMIXセクションでリングモジュレータを50%ぐらいかけてあげて、4つそれぞれのオシレータのボリュームを微調整し、アンプセクションで、アタック最速・ディケイそこそこ・サスティン0・リリース短め、に設定してあげます。

まぁまぁ、そっくりそのままではないけど、雰囲気は出てる音色ができたのでメインのメロディはこれで行くことにしましょう。

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