MusicXMLに直書きで【AIきりたん】のブレスを試してみた

CubaseのスコアエディタではNEUTRINO推奨のブレス記号「, (コンマ) 」が記入できません。

そこで・・・

MusicXMLに直接ブレスマークを書き込んで【AIきりたん】にブレスをしてもらおうと思います。

なお、この記事もあくまでMuseScoreを使わずにCubaseだけで【AIきりたん】を歌わせることを目的としてます。

・過去記事
MuseScoreを使わずにCubaseだけで【AIきりたん】を歌わせる方法
FormantShiftを変えて【AIきりたん】の声質を試してみた

ホントにCubaseのスコアエディタではブレス記号が入らないのか?

まず、やってみたのはSample1のMusicXMLをCubaseのスコアエディタにインポートしてみることでした。

・・・が、ブレス記号の 「, (コンマ) 」 が表示されていません。

この時点でかなり期待薄ですが続けます。

次にCubaseのヘルプを検索してみたのですが、ブレス記号に関するワードがヒットしませんでした。

ならばということで、同じメーカーのSteinberg Doricoという楽譜作成ソフトのヘルプを見てみると、ブレス記号の種類で「V( アップボウ )」でもブレスの替わりになるみたいなことが記載されています。

調べてみるとCubaseのスコアエディタにも 「V( アップボウ )」 と思しき記号があるのでこんな感じで記入してみます。

結果から言うと、CubaseのスコアエディタからMusicXMLに書き出した時点で 「V( アップボウ )」 が反映されていませんでした。

おそらく印刷用のフォントとして記入はできるけど【NEUTRINO】で認識できる楽譜データには変換されないのではないかと思います。

ということで、スコアエディタでブレス記号を入れるのは断念して気持ちを入れ替えていきます。

SampleのMusicXMLを参考にして直書きしてみる

まずはブレスをどんな風に書くのか MusicXMLの 仕様から調べてみます。
すると、こんな文法で書けば良いっぽいことが分かります。

次にSample1のMusicXMLをメモ帳で開いて「breath」という文言を検索してみます。
すると、こんな感じでヒットしました。

分かりにくいですが、要は<note><note/>という要素の中に先ほどの文法で<breath-mark/>を入れてあげれば良いようです。

すべて理解した

ということで早速実践してみます。
以下の2点に気を付けながらCubaseで作曲していきましょう。

  • 4分や16分の休符を使わずにベタ打ちしていく
  • 本当に歌ったら息継ぎしそうなところにブレスを入れる

【AIきりたん】はブレスを入れないで長いフレーズを歌わせると破綻しやすいらしいので少なくとも4小節に1回ぐらいは入れると良いみたいです。

で、出来上がったのがこの曲です。
00:31あたりでブレスしているので聴いてみてください。


動画(歌詞入り)もよろしかったらご覧ください。

ちょっとだけ曲の解説

メインヴォーカルにコーラスが掛かったような感じがすると思うのですが、実はエフェクトはリバーブとディレイの空間系しか掛かってません。

どうやったかというと・・・
まずは、メインヴォーカルを以下の設定で普通に書き出します。

次に、同じフレーズのキーをCubase側で-12して Run.batのPitchShiftを+12(2.0)で書き出します。
所謂「キー変、ピッチ変」で少し弱く歌ったバージョンを作るイメージです。

書き出したWAVをCubase上で並べただけでボリュームすらいじってないのですが「ダブリング」みたいな効果が得られます。

センの細かった【AIきりたん】の声が少~しだけ太くなってイイ感じになるのでオススメです。

ちなみに【NEUTRINO】で書き出した歌声はMelodyne的なピッチ補正ツールを使用しないで【AIきりたん】の素のままで作成してます。