【NEUTRINO】には【AIきりたん】の声質を「子供っぽく」したり「大人っぽく」したりできる機能が備わっているので、1曲作るついでに声質のテストをしてみました。
ちなみにこの曲もMuseScoreを使わずにCubaseだけで完結することをテーマにしています。
MuseScoreを使わずにCubaseだけで【AIきりたん】を歌わせる方法は←コチラへどうぞ。
【NEUTRINO】のRun.batをメモ帳で開くといくつか自分で設定できる項目があるのですが、今回は声質を変えることのできるFormantShiftの値を変えていきたいと思います。
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: WORLD.exe set PitchShift=1.0 set FormantShift=1.0 |
Readmeでは「上げると子供っぽく、下げると大人っぽく」なると記述されており、「0.85-1.15辺りがお勧めです」という注記があるので、今回は・・・
という3種類の声質を作ってみます。
set FormantShift=1.15 で子供っぽい声になるのは確認できました。
しかし、C4以上の高いキーになってくると正しく発声しない現象が起きてしまいました。
くろ州さんのまとめによると、直前に休符があると起きやすいそうで、対策としては以下の2つがあるそうです。
ブレスを入れるのが1番手っ取り早そうなのでやってみる・・・
と、思ったら落とし穴が!
Cubaseのスコアエディタには「’」を記入することができないようです。
調べてみたんですがMusicXMLで認識される<breath-mark>を入れること自体ができない感じなので、あとで調査することにしてブレスをいれるのはいったんパスします。
ダミーノートを入れて後で消すのはあまりスマートじゃないので最後の切り札として取っておくことにします。
またくろ州さんのまとめを見ると「キー変更+ピッチ変更」でうまく歌うところを探すというテクニックがあるようです。
今回は高い声が出ていないので「キーを下げてピッチを上げる」ということをすれば解決するのではないかと推測してみました。
これで書き出してみると見事!無声化していた問題が解消されました。
【AIきりたん】は「低いキーは弱く、高いキーは強く」歌う傾向があるので 「キー変更+ピッチ変更」 でうまく歌うまで調整するのが良いそうです。
今回はコーラスで高い声なので、メインヴォーカルより目立たないように「キーを下げて弱くしながらもピッチは上げて高音を歌ってもらう」という方向にしてみました。
曲の後半のサビで実践しているので聴いてみてください。
いやぁ~、くろ州さんのような先駆者がいて大変助かりました。
ピッチ変更早見表まで掲載してくれててマジ感謝です!
話題の【AIきりたん】ですが、私の愛用DAWのCubaseでもMusicXMLが書き出せるということで早速試してみました。
・・・が、結果的に言うと、そのままではNEUTRINOに読み込むことができなかったので備忘録的に記事と動画を作成しました。
あくまで私のやり方ではありますが、ご参考になればと思います。
※SleepFreaksさんの記事参照
https://sleepfreaks-dtm.com/dtm-materials/neutrino/
NEUTRINOとしてはMuseScoreが推奨されているのですが、ノーテーションソフトはあまり慣れていないので、普通にCubaseのピアノロールで曲を作っていきます。
【AIきりたん】に歌わせたいパートは単音で独立したトラックに作ります。
デュレーション(音の長さ)は反映されますが、ベロシティ(鍵盤をたたく強さ)は反映されないみたいなので細かく考えずに作っていきましょう。
【AIきりたん】に歌わせたいパートのトラックを選択してスコアエディタを開きます。
左側の記号ペインから「その他」を選択し、「Lyrics」ボタンをクリックすると歌詞の入力モードになります。
音符の下辺りをクリックすると文字入力ができるので日本語で打ち込んでください。
ちなみに、私は何も歌詞が思いつかなかったので「ららら~」と「トゥトゥトゥ~」でお茶を濁してますw
すべての音符に歌詞を入力し終えたら、スコアエディタを開いたまま「ファイルメニュー」→「書き出し」→「MusicXML」を選択。
適当なファイル名を付けて保存します。
これでCubaseからMusicXMLを書き出すことができました。
できた.xmlをNEUTRINOに読み込ませようとするとエラーが出てしまいます。
ということで、サンプルで付いているMusicXMLを参考にしながら必要最小限の手直ししていきたいと思います。
サンプルをメモ帳で開くと・・・
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<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> |
一方、Cubaseで書き出したモノをメモ帳で開くと・・・
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<?xml version="1.0" encoding="UTF-16" standalone="no"?> |
まず、行頭の定義からして違います。
UTFの形式が違うので「16」から「8」に書き換えます。
次に、Cubaseで書き出したモノにはテンポの記述がないので<attributes>というセクションに<sound tempo=”XXX”/>を追加します。
※XXXのところにテンポの数値を記入
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 |
<attributes> <divisions>480</divisions> <key> <fifths>0</fifths> </key> <time> <beats>4</beats> <beat-type>4</beat-type> </time> <clef number="1"> <sign>G</sign> <line>2</line> </clef> <sound tempo="130"/> </attributes> |
これで必要最小限の手直しは済んだと思うので「名前を付けて保存(A)」で保存します。
この時、保存形式を「UTF-8」にするのを忘れないように!
手直しした.xmlをNEUTRINOフォルダのなかの「musicxml」フォルダにコピーします。
サンプルの拡張子が.musicxmlになっているので、一応、拡張子も合わせて変更しておきます。
「使えなくなるかも…」みたいな警告が出ますが、かまわず「はい」を選択してください。
あとはNEUTRINOの手順通り、.batの「set BASENAME=」以降を自分の作ったMusicXMLのファイル名にしてコマンドラインでバッチを走らせてください。
エラーが出なければ成功です!
NEUTRINOフォルダのなかの「output」フォルダに.wavが書き出されているのを確認しましょう。
Cubaseに戻ってきて「ファイル」→「読み込み」 → 「オーディオファイル」で NEUTRINOフォルダのなかの「output」フォルダから書き出された.wavを読み込みます。
元のメロディのトラックをMuteして聞いてみましょう。
ベタ打ちにも関わらず(歌詞もららら~なのに)かなり自然に発生してますね!
本来はNEUTRINO推奨のMuseScoreを使うのが良いとは思うのですが、DAWを行き来したりするのはメンドくさいので「Cubaseだけで完結するやり方ないかな~」と思ってテストしてみました。
しかし、こんな素晴らしいソフトがフリーウェアで公開されているなんて驚きです。
しかも【AIきりたん】は非商用であればクリエイターがYoutubeなどへの投稿もできるのでますます広がりそうな気がします。
わたしも何か1曲作ってみようかな!
・AIきりたんガイドライン
https://zunko.jp/guideline.html
・AIきりたんデータベースガイドライン
https://zunko.jp/kiridev/login.php
・NEUTRINO
https://n3utrino.work/